始まりの電話

 始まりは突然やってきた。

夏の終わりの金曜日の午後、派遣先の課長から電話があり、再来月の延長はないことを告げられた。

春にリリースした案件の保守対応が思いのほか仕事が発生しなかったのでそろそろ終わりかなとは思っていたが、タイミングがぎりぎりだったのでとても腹がたった。

それからしみじみとがっかりした。

2年半働いてそれなりに関係性もできていたはずなのにこんなタイミングとは。

感謝や謝りの言葉があったと思うがよく思い出せない。

そのあと派遣元の営業さんから電話があった。

こちらはよく覚えている。

残念だとひとしきりしみじみしてから、「それでですね」と切り替えて次の案件探しの話になった。

なんなら少し休んで、などと一瞬よぎったのを払いのける効果があった。

そうか。こうしちゃいられない。次をさがそう、という気になった。


時期は8月末。

9月末までの契約だから10月始まりの案件。

営業さんに聞いたところ、秋始まりの案件はかなり多いとのこと。

だが、その分、働きたい人も多いので争奪戦というか良い案件からどんどんうまるとのこと。

営業さんも探して提案してくれるが、できればそれを待たずにどんどん応募してほしいとのこと。

50才になって初めての職探しになるのでその事も気になって聞いてみた。

確かに若い年代の方が案件は多いが、年齢に関わらず案件はたくさんあり実際に働いている人は多く、気にすることはないとのことだった。

ここまで聞いてすっかりやる気が出てきた私はさっそく次の派遣先を探すことにした。

営業さんは実に乗せ上手だ。

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